HACHI NOTE

Enjoy your Tokyo life.

中谷美紀主演の舞台「黒蜥蜴」を見てきた

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先日、日生劇場で黒蜥蜴を見てきた。素晴らしかったです。

以下感想。

 ※ネタバレしまくってるので注意!!

あらすじ

女盗賊・黒蜥蜴(中谷美紀)が、宝石商の社長令嬢の早苗さん(相楽樹)を誘拐しようとして早苗パパに雇われた私立探偵の明智小五郎井上芳雄)と対決するというお話。

黒蜥蜴は常軌を逸した耽美主義者で、早苗を誘拐しようとしたのも宝石目当てと同時に美しい早苗を剥製にするためだった。生きた人間はいつ裏切るかわからないので盗賊団の仲間のことも信用できず、信じられるのは宝石のような美しくて心を持たないものだけ。一方、明智は犯罪を解明し犯人を追い詰めることに情熱を燃やす犯罪大好き男で、凡人には理解不能な犯罪観を持っている。二人は対立しながらも惹かれ合っていくが・・・

 原作:江戸川乱歩  脚本:三島由紀夫  演出:David Leveaux

感想

中谷美紀相変わらずうつくしい。でも最初、座席が舞台から遠かったのと声が普段よりも低くて、誰だかわからなかった。

・早苗さん華奢!かわいい!!白ワンピースほしい!

・明智さんは背高くてふつうにかっこいい。人相が悪い(褒め言葉)。立て板に水のごとく喋る。

・ふだんお芝居をあまり見ないので、みんなが文字通り芝居がかった口調で喋るのがなんかおかしくて最初はニヤニヤしてしまった。

・昔の日本語はきれいですね。

・BGMは生演奏だということに途中で気付きました。臨場感があります。

ミキティが一箇所だけ噛んでた気がするけどこれはこれで生っぽくていいや

・黒蜥蜴の、仲間の誰も本当は信用できなくて、明智を好きになると自分がいつもの平静で冷淡な自分でいられなくなるから殺したくないんだけど彼を殺さざるをえなくて、という葛藤は切なかった。誰よりも美しくて誰よりも孤独。

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・明智さんは明智さんで黒蜥蜴を捕まえたいんだけど捕まえたら生き甲斐がなくなってしまいそうで捕まえたくない!とのこと。

・美しいものって本当は孤独で不幸な人間のためにあるのかなーとか思った。イヴ・サンローランは「女性をもっとも輝かせる洋服は愛する男の腕。その腕を見つけられない全ての女性のために私が洋服を作る」と言った。その通りだと思う。

誘拐された早苗は実は早苗のそっくりさんで、明智が企んだ替え玉だったのよ!ということを自白する早苗さん(のそっくりさん)。このすれっからしな感じもかわいい。

・黒蜥蜴の部下で彼女を愛しているが冷たくあしらわれる雨宮と早苗のそっくりさんは二人で牢に入れられ、黒蜥蜴に「愛し合う男女像」の剥製にさせられそうになる。二人は今はまったく愛し合っていないけれど、死んだ後に愛し合うようになるのだ・・・とか言ってるうちになんかそのまま愛し合いはじめてしまい笑った。

「心の世界ではあなたが泥棒で、私が探偵だったわ」

・最後、明智に追い詰められた黒蜥蜴は(薬を飲んで?)明智の腕の中で死んでいくのだが、やっぱり美しいものは滅びる運命なのね・・・って感じでふさわしい終わり方だと思った。

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・黒蜥蜴に勝った側の早苗パパがまた金勘定ばかりしている典型的な俗物で、早苗も冒険に憧れつつも結局は冴えない男と見合い結婚するという結末もまた皮肉たっぷりだった。

・両思いなのに結ばれない話が一番好きな私としてはとても好みのお話でした。

三島由紀夫はほんとーに生身の人間の心や愛を信用してなかったんだなあと思う(原作は江戸川乱歩だけど)。人工的な愛や美を再構築することがこの人にとって大きなテーマだったのかなと勝手に思っている。

・そういえば、明智さんってどうやって殺される前にソファから脱出したんでしたっけ??

その他

日生劇場は華やかな場所にあってゴージャスな気分になれるし、中も広くて重厚感があってよかった。日比谷っていいよね。クロークでコートを預かってくれたりオペラグラスを貸してくれたりすることを後で知った。コートはともかくオペラグラスはほしかった・・・(ただ有料らしいので買ったほうがいいかも)。

・関係ないけど、劇場がある日比谷から丸の内、東京駅までのイルミネーションも素晴らしかった。帰り道、耳が痛いほど寒かったがそのために何だかすべてが清浄に見えた。誰もいない店のウインドウショッピング。

まとめ

耽美主義全開の美しい世界でした。事前知識ほぼなしでもすごく楽しめた。(言葉遣いが古いので台詞の意味が取りにくいところはあるかもしれない)

もう東京公演は終わってしまったけど大阪の皆さま楽しんでください。

 

写真は公式サイトからお借りしました。