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大企業正社員を辞めて派遣エンジニアになった感想②

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紆余曲折時代 ー仕事に人生のすべてを満たしてもらおうとする愚

大手メーカーを退職後は「学生時代から興味を持っていたある仕事」を早速始めた。それは通訳である。この仕事もITエンジニアのようにフリーランスや派遣で働くことが多い専門的な職種なので、とりあえず派遣社員として下積みから始めて実務経験を積むことにした。自分で働き方やペースを決められる仕事がしたいという気持ちは当時から一貫している。

しかしこれがなかなかうまく行かない。別の会社に移っても相変わらず同僚や上司はいやな人も多いし、社内制度は非合理で理不尽なことだらけだし、また部署で私と同じポジションの人が他にいなかったこともあり疎外感も強かった。

 

今振り返ってみると、私は仕事というものに多くを求めすぎていたのだと思う。当時の私は仕事(だけ)で自分の心の穴というか、満たされない気持ちや生活の空虚さをすべて埋めようとしていた。天職を探し当ててそれに邁進すれば毎日が充実し、仕事を通じてお金も良好な人間関係も生きがいも手に入ると思いたかった。元々、複数のことを並行して進めるのが得意じゃないのだ。なので当時は休日も通訳学校に通ったり勉強したりで、仕事のスキルを上げることしか考えていなかった。でも当然ながら、実際は仕事がすべての人生に対する欲望を満たしてくれるわけじゃない。運よくやりたい仕事ができたとしても思うほど稼げなかったり人間関係に悩まされたりするし、逆もよくある。終身雇用が当たり前の時代には会社が全てのニーズを満たしてくれたのかもしれないが、もうそんな時代でもないし・・・。

 

そんなこんなで相変わらず「なんか色々パッとしねーな最近・・・」と思いながら仕事を続けていると、更に致命的な問題が浮上してきた。好きで始めたはずの通訳の仕事がどうもしっくり来ないのだ。初めのうちは「やっぱりこの仕事楽しい、天職だわ」とか思うことも時々あったのだが、慣れてくると新鮮な感動は薄れ、「これ一生続けるの苦痛だな・・・」と思うようになっていった。

まず、通訳能力という特殊で専門的なスキルをひたすら磨き続けること(具体的にはシャドーイングやリテンション、案件ごとの重要語句の暗記を延々と繰り返す)に興味を持てなかった。また当然ながら他人の意見を文意に忠実に訳すのが仕事なので、自分で考えて発信する機会がほとんどないのも予想以上につまらなかった。職人的な仕事にずっと憧れていたけれど、実際の私は職人的にひとつのことを狭く深く追求するのはまるで性に合わないのだった(その場その場で興味を持ったことに次々手を出したいタイプ。通訳の活動領域自体は広いので)。

更に「その仕事をする上で必要な他人との関わり方」も私には苦痛だった。サービス業なので、やっぱり単純に感じがいいというか、根本的に人と接するのが好きで知らない人とも打ち解けやすい人の方が向いているはずなのに、私は間逆の性格である。人と接するのが嫌いというわけではないけど、わりと神経質で初対面の人にはかなり壁を作ってしまうし、相手にもそれが伝わってしまう。しかもどちらかといえば、人とわいわいやるより黙々と作業をしている方が落ち着く。じゃあ何でわざわざそんなコミュ力を要求される仕事を選んだのかというと、たぶん苦手だからこそ克服したかったのだろう。今となっては、短所はどうせ伸びないんだから他の得意な人に任せておけばよし、と思うけど。でも「自分に向いている形で人と関わること」ができるかどうかは、今でも仕事を選ぶ上で一番重要なポイントだ。


他にも待遇や将来性への不安などもあり、転職から1年半ほどしたある日、私はふと考えた。「もういっそITエンジニアになっちゃおうかな?」

唐突である。なぜ突然こんな考えが出てきたのか。それは私が当時システムインテグレーターで働いており、SEの仕事を間近で見る機会があったから。ただここらへんは人に説明してもなかなか理解してもらいづらい。ほとんど直感だったと言ってもいい。面白そうな人はだいたいIT(特にWeb)の界隈にいるよなー、とよく感じていたのが大きいかもしれない。調べてみるとフリーランスにもなりやすいし、リモート勤務や時短勤務を推進している企業も多いし、技術があればあまり働きたくない人間(私)や人付き合いが得意じゃない人間(私)にも比較的優しい業界のようだ。ただし、残業やブラック企業の多さもピカイチ☆のようだが・・・

 

やっぱり会社員向いてない

手っ取り早くIT業界に参入するため、私はあるIT企業の正社員になった。およそ1年半ぶりの正社員復帰。が、端的に言うとやっぱり会社員はだるいから辞めようという結論に達した。スーパーだるかった。

でもエンジニアの仕事は続けようと思った。プログラミングとかロジック考えたりとか、ITのお仕事は嫌いじゃないからもっとやってみたいと思ったし、究極的には仕事なんて大した問題じゃないよなーと思うようになったからだ。

どんな仕事であれ、仕事は基本的には他人のご機嫌伺いだ。だから面白い仕事はあっても、四六時中楽しいハッピーハッピーな仕事は存在しない。めんどくさくて当たり前。その中でも、自分がなるべくストレスを感じずに続けられる仕事に巡り合えれば御の字だと思う。時々やりがいや面白さが感じられればもうパーフェクトと言っていい。働き方について悶々と悩み続け、散々じたばたしたおかげでこのことを身をもって知ることができるようになったのは、何より良かったと思う。

そんなこんなで派遣エンジニアになりました。

つづく

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